断酒とネコの日々

断酒を試みては失敗、自己嫌悪のループからようやく抜け出せそうな日々。

【断酒19日目】日々淡々

禁酒と断酒で使い分けているのでややこしいですが、飲まなくなって40日経過しました。おめでとう、私。最長不倒日数じゃなかろうか。

 

ここまでを振り返ると、日々淡々と過ぎて行った感じです。

 

淡々と過ぎて行くから飲まずにすんでいるのか、飲んでないから毎日が淡々と過ぎて行くのか、その両方か。

どちらにしても、お酒(によるデメリット)なしの生活のすばらしさを毎日実感しています。

断酒して、体調面でももちろんですが、精神的に本当に大きなプラスがもたらされたと思っています。

やめられなかった頃は、朝起きて、今日は絶対飲まないと決心しても、仕事が終わる夕方にはなんだかんだ言い訳して飲んでしまって、そんな自分に自己嫌悪を感じてつらかったです。二日酔いで気分が悪くて起きられないときなど、自分は何をしているのだろうと、情けなくて情けなくて。

 

サン=テグジュペリの『星の王子さま』に、「吞み助」が出てきます。彼は、王子さまが故郷の星を旅立ってから3番目に出会う人物です。酒ビンを並べてだまりこくっている「呑み助」に王子さまはこう尋ねます。

 

「きみ、そこで、なにしてるの?」

「酒のんでるよ」と、呑み助は、いまにも泣きだしそうな顔をして答えました。

「なぜ、酒なんかのむの?」と、王子さまはたずねました。

「忘れたいからさ」と、呑み助は答えました。

「忘れるって、なにをさ?」と、王子さまは、気のどくになりだして、ききました。

「はずかしいのを忘れるんだよ」と、呑み助は伏し目になってうちあけました。

「はずかしいって、なにが?」と、王子さまはあいての気もちをひきたてるつもりになって、ききました。

「酒のむのが、はずかしいんだよ」というなり、呑み助は、だまりこくってしまいました。

そこで、王子さまは、当惑してそこを立ち去りました。

そして、 王子さまは「おとなって、とっても、とってもおかしいんだなあ」と思います。

星の王子さま』には様々な人物が登場します。自分の立場や考え方の変化に伴って、共感できる登場人物も読み返すたび変わってきましたが、あるときから「呑み助」の気持ちがわかるようになりました。私も「とっても、とってもおかしい」大人なんだわ、と。

 

でも「呑み助」とちがって、私は「忘れたいから」とかなんとか言い訳して飲むことをきっぱりやめたことで、自己嫌悪や自分を情けなく恥ずかしく思う気持ちは手放せました。

 

断酒=一生飲まないということであれば、40日なんてまだまだ入り口もいいところですが、難しく考えずに、今日も明日も淡々と過ごして行こうと思います。

 

 

星の王子さま (岩波文庫)
 

引用部分は 岩波少年文庫版から引用しています。